にじいろ日誌

NPO法人『にじいろ学校』の活動報告ブログです!

LGBTQの多様性(音声文章とスライド文章版)

TRP2021 オンライン企画「LGBTQの今を知る15選」

テーマ LGBTQの多様性

 

スライド画像&音声 文章版

 

 

【スライド1】

タイトル:LGBTQの多様性 NPO法人にじいろ学校

音声「みなさんこんにちは。NPO法人にじいろ学校の今徳と申します。

本日はLGBTQの多様性というテーマについてお話をさせていただきます。よろしくお願い致します。」

 

【スライド2】

タイトル:にじいろ学校について

本文:2015年 セクシャルマイノリティに気軽にアクセスできることを目的に、吉祥寺にレインボーカラーの作品を扱う雑貨店「にじいろ小町」をオープン。月に一度の交流会の開催も行う

2016年 全てのセクシャルマイノリティに居場所とコミュニティを」という理念のもと、NPO法人にじいろ学校を設立

設立後 パンセクシュアル、Xジェンダーアセクシュアルなどの交流会を開催し、

その中でも一番反響のあったアセクシュアルについての活動をメインに行う

 

音声 

「まずは、私が所属している団体にじいろ学校についてお話させていただきます。

にじいろ学校は2015年にセクシャルマイノリティが気軽にアクセスできるということを目的に吉祥寺の雑貨店としてスタートしました。吉祥寺の雑貨店では月に1回セクシャルマイノリティに関する交流会を行っておりました。こちらの場所で雑貨店というハードルの低さもあり、自分はセクシャルマイノリティか分からないという人や、LGBTに含まれないセクシャリティ当事者の方に多くご利用いただいておりました。そのことから、もっとセクシャリティに関する活動をやっていきたいという思いで、2016年にNPO法人にじいろ学校を設立致しました。設立後は当時、支援がなかったり、コミュニティや交流会が少なかったLGBTに含まれないセクシャルマイノリティの中でもパンセクシャル、エックスジェンダーアセクシュアル、まだ悩んでいる方や決めていないという方の交流会を開催していました。その中でも一番反響のあったアセクシュアルというセクシャルマイノリティの活動を現在メインで行っております。」

 

【スライド3】

タイトル:東京レインボープライドでの活動

本文:2016年 全てのセクマイ当事者や関心がある人に向けたフロート

2017 LGBT以外のセクマイをアピールするためのフロート

2018年 アセクシュアルをアピールするためのフロート

2019年 LGBT以外のセクマイをアピールするためのフロート

 

 音声「東京レインボープライドさんの方では2016年から4度に渡りパレードでのフロート、ブースの出展、またレインボーウィークでのイベントの参加などをさせていただいております。」

 

【スライド4】

タイトル:今回のテーマ

本文:① LGBT以外のセクシャルマイノリティについて

② 他者に恋愛的/性的に惹かれない 「アロマンティック/アセクシュアル」について

③ LGBTQコミュニティについて

 

音声「続いて今回お話させていただくテーマについてです。

まず1つ目、 L/G/B/T以外のセクシャルマイノリティについて

2つ目、 他者に恋愛的/性的に惹かれない「アロマンティック/アセクシュアル」について

3つ目、 LGBTQコミュニティについて

以上3つのテーマでお話させていただきたいと思います。よろしくお願い致します。」

 

【スライド5】

タイトル:① LGBT以外のセクシャルマイノリティについて

音声「① LGBT以外のセクシャルマイノリティについて」

 

【スライド6】

タイトル:LGBT以外のセクシャルマイノリティの割合について

本文:LGBTQの中にはLGBTだけではなく、様々なセクシャリティを自認している人がいる

出典:電通ダイバーシティ・ラボ「事前スクリーニング調査概要」電通ダイバーシティ・ラボ「電通LGBTQ+調査2020概要」

表作成:にじいろ学校

 

表:

性的指向

ゲイ:1.94%

レズビアン:1.33%

バイセクシャルパンセクシャル:2.94%

アセクシャル・アロマンティック:0.81%

性的指向のクエスチョニング:1.63%

 

性自認

トランスジェンダー:0.64%

エックスジェンダー:1.20%

性自認のクエスチョニング:0.62%

 

 

 音声「まずは、LGBT以外のセクシャルマイノリティの割合についてです。こちらは2020年に行われた調査の結果です。こちらの調査から数値の差ということではなく、LGBTQの中にはLGBTだけではなく、様々なセクシャリティを自認している人がいることをぜひ知っていただきたいです。」

 

【スライド7】

タイトル:LGBTQの知名度について

出典:電通ダイバーシティ・ラボ「事前スクリーニング調査概要」電通ダイバーシティ・ラボ「電通LGBTQ+調査2020概要」

グラフ作成:にじいろ学校

「聞いたことはあるが、意味を知らない」レズビアン=2.9%、ゲイ=3.3% と低い割合であるのに対し、LGBT以外のセクシャルマイノリティは、「聞いたことはあるが、意味を知らない」クエスチョニング=75.2%、アセクシャル・アロマンティック=81.4%、エックスジェンダー=76.9%、パンセクシャル=81.1% と高い割合である。 

音声「そしてこちらは、それそれのセクシャリティを聞いたことがあるか、意味を知っているかの回答になります。LGBTは言葉を聞いたことがある人がどれも90%を超えています。これはLGBTに関わる活動を行っている方や、当事者の方が今まで必死で声を上げて下さった結果だと思います。本当に感謝尊敬しております。

ただ、一方でLGBT以外のセクシャルマイノリティについては聞いたことがない人が、ほぼ70%以上超えと、まだまだ知られていないことが分かります。ただ、認知度を上げればいいということではありませんが、現在何で周りと違うんだろうと悩んでいる方にこういうセクシャリティがあるよと、あなただけじゃないんだよと届けるためにセクシャルマイノリティの認知度を上げることは一つ大切な一歩だと思います。」

 

【スライド8】

タイトル:セクシャリティの定義について

本文:(※にじいろ学校が現在使用している定義に準ずるものとする)

このほかにも多くのセクシャリティが存在する

 

 音声「続いて、セクシャリティの定義についてです。こちらは、LGBT以外のセクシャルマイノリティとして語られることが多いセクシャリティになります。なお、定義や表記については個人や団体によって使っている定義や表記が違ったり時代によって変わっていくということもございます。こちらは、あくまで現在、にじいろ学校が使用している定義になりますのでご了承下さい。まずは、エックスジェンダー、こちらは、性自認が男女どちらかだけに当てはまらない人を指します。

パンセクシャル、全ての性別に恋愛、性的に惹かれる人を指します。

アセクシュアル、こちらはAセクシャル、Aセクシュアルなどと表記することもありますが、いずれも同じ意味になります。こちらは、他者に性的に惹かれない人を指します。

エスチョニング、こちらは性自認または、恋愛指向、性的指向等が決まっていない、または、決めていない人を指す言葉です。

もちろんこれらだけでなく、他にも多くのセクシャルマイノリティが存在します。」

 

【スライド9】

タイトル:性自認の多様性について

:「現在、自分の性別についてどのように捉えていますか」(n=547)

性別がないと感じる:36.7%

状況などによって変わる・揺れ動く:15.2%

どちらかといえば女性:13.5%

女性と男性の中間:9.0%

分からない:8.4%

その他:6.2%

女性と男性の両方:4.2%

どちらかといえば男性:3.3%

女性:1.6%

男性:1.5%

無回答:0.4%

 

本文:左表【出生時の性別と、現在自分が捉えている性別が「一致」していると思いますか】という設問に「思わない」「わからない」を選択した人(32.5%)の内訳

ここから自己の性別の捉え方も多様であると推察できる

※一部コミュニティ内の回答のため、この割合は一般化できないものであると考えております。ご承知おきください。

出典:Aro/Ace調査実行委員会2021「アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020単純集計報告書」

表作成:にじいろ学校

 

 音声「続いて、性自認の多様性についてお話させていただきます。

こちらの表は、アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020の調査において、【出生時の性別と、現在自分が捉えている性別が「一致」していると思いますか】という設問に対して、「思わない」「わからない」を選択した人の現在自分の性別をどのように捉えていますかという質問に対する回答をあらわした表になります。

こちらの調査の回答が現在、エックスジェンダートランスジェンダーを自認している方に限っていないことや、アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査という一部コミュニティ向けの回答のため、この数値は一般化できないものであると考えられますが、ここから自己の性別の捉え方も多様であると推察できると思います。」

 

【スライド10】

タイトル:DSDs(体の性の様々な発達)について

本文:DSDsとは、体の性の発達が、「これが男性の体のはず・女性の体のはず」という固定観念とは、生まれつき一部異なる女性・男性の体の状態の総称
性分化疾患インターセックスという用語は両方とも「男でも女でもない」という偏見が強いため、現在ではDSDs(体の性の様々な発達)と呼ばれることが多い

定義作成:ネクスDSDジャパン

 

音声「続いて、DSDs(体の性の様々な発達)についてお話させていただきます。

DSDsとは、体の性の発達が、「これが男性の体のはず・女性の体のはず」という固定観念とは、生まれつき一部異なる女性・男性の体の状態の総称になります。

なお、性分化疾患インターセックスという用語は両方とも「男でも女でもない」という偏見が強いため、現在ではDSDs(体の性の様々な発達)と呼ばれることが多くなっております。」

 

【スライド11】

タイトル:「LGBTQI」という表記の問題点について

本文:LGBTQと「インターセックス」の頭文字である「I」を合わせた表記、
「LGBTQI」も存在するが、LGBTQ」と「DSDs」は異なるものであるため、「LGBTQI」という表記では誤解を生む可能性があるため、使用を避ける必要がある

「DSDs」は性自認や恋愛、性的指向とは関係ないためセクシャルマイノリティには含まれないが、DSDsの人々の中にもLGBTQの人はいる

画像提供:ネクスDSDジャパン

 

 音声「DSDsとは、セクシャルマイノリティとは異なるものになりますが、

「LGBTQI」という表記の問題点についてお話させて頂きたく今回ご紹介させていただきました。LGBTQと「インターセックス」の頭文字である「I」を合わせた表記、

「LGBTQI」も存在していますが、「LGBTQ」と「DSDs」は異なるものであるため、「LGBTQI」という表記ではDSDsもLGBTQと同じセクシャルマイノリティの一種であると誤解を生む可能性があるため、使用を避ける必要があります。

また、インタセックスという言葉もLGBTQではよく耳にする言葉かと思いますが、こちらの言葉も、当事者の間ではあまり使われておらず、いい印象を与える言葉ではない、誤解や偏見をうみやすい言葉であることから、あまり使用されないことを望む当事者の声が多いです。

「DSDs」は性自認や恋愛、性的指向とは関係ないためセクシャルマイノリティには含まれませんが、DSDsの人々の中にもLGBTQの人はいるということ、また性自認や恋愛性的指向だけでなく、男性にも女性にも生まれつき体つきの性の多様性が存在することも知って頂きたいです。」

 

【スライド12】

タイトル:ポリアモリーについて

本文:ポリアモリーとは関係性指向のひとつ

関係者全員の合意のうえで、複数のパートナー同士が親密な恋愛関係を結ぶというライフスタイル。全員の合意がある点において、浮気とは異なる

対義語(1対1で恋愛関係を結ぶ関係性指向)はモノガミー

LGBTQの中にもポリアモリーを実践している人もいる

 音声「続いて、ポリアモリーについてです。ポリアモリーとは関係性指向のひとつになります。関係者全員の合意のうえで、複数のパートナー同士が親密な恋愛関係を結ぶというライフスタイルです。全員の合意がある点において、浮気または不倫とは異なります。

対義語はモノガミー、1対1で恋愛関係を結ぶ関係性指向のことです。ポリアモリーセクシャルマイノリティとは少し異なりますが、LGBTQの中にもポリアモリーを実践している人もおります。」

 

【スライド13】

タイトル:「DSDs」と「ポリアモリー」について詳しく知りたい場合

本文:

DSDs→「ネクスDSDジャパン

DSDsを持つ人々と家族のための情報サイト

DSDsのことが、詳しく説明されている

ポリアモリー→「ポリーラウンジ

ポリー(ポリアモリーポリガミーの方)および
ポリーフレンドリーな方なら、年齢・セクシュアリティ
恋人の有無等に関係なく、誰でも参加できる交流会

 

音声「「DSDs」と「ポリアモリー」について詳しく知りたい場合は、下記のサイト、または、団体様の方、ぜひご活用なさって下さい。」

 

【スライド14】

タイトル:まとめ

本文L/G/B/Tに含まれないセクシャリティも存在する

LGBTQのような性自認、恋愛/性的指向の多様性だけではなく、体や関係性指向にも多様性が存在している

 

音声「これまでのお話で、L/G/B/Tに含まれないセクシャリティも存在していること、

LGBTQのような性自認、恋愛/性的指向の多様性だけではなく、体や関係性指向にも多様性が存在していることを知っていただけたらと思います。」

 

【スライド15】

タイトル:他者に恋愛的/性的に惹かれない 「アロマンティック/アセクシュアル」について

【スライド16】

タイトル:「恋愛指向」と「性的指向」について

本文:恋愛指向:恋愛感情を抱く性別などを表す

性的指向:性的に惹かれる性別などを表す

恋愛指向と性的指向一致しない、どちらかのみある、どちらもないというセクシャリティも存在する

このふたつを切り離すことはLGBTQの多様性を理解するうえで重要である

※にじいろ学校が現在使用している定義に準じています

※詳細はにじいろ学校HPの「用語一覧」をご覧ください

 

音声「まず、「恋愛指向」と「性的指向」についてお話をさせていただきます。

こちらで使う指向という言葉、指が向くと書いて、自然と指が向く方などという意味で使われております。

恋愛指向は、恋愛感情を抱く性別などを表す言葉として使っております。性的指向は、性的に惹かれる性別などを表す言葉として使っております。

恋愛指向と性的指向が必ずしも一致しないということをまずは知って頂きたいです。

例えば、恋愛指向は男性女性どちらにも向くが、性的指向は女性のみという性的指向と恋愛指向が一致しないという方もいらっしゃいますし、または、片方はあるがどちらかがない、または、どちらもないというセクシャリティも存在しております。

この恋愛指向、性的指向が必ずしも同じ性別に向くとは限らないということや、どちらも必ずしもみんながもっているものではない、同じものでなく別々のものであるということ、この2つを切り離して考えることは、LGBTQの多様性を理解する上でとても重要なものであると言えます。」

 

【スライド17】

タイトル:「アロマンティック/アセクシュアル」について

本文:ロマンティック・セクシュアル:他者に性的に惹かれる。他者に恋愛感情を抱く。

ロマンティック・アセクシュアル(ノンセクシュアル):他者に性的に惹かれない(アセクシュアル)。他者に恋愛感情を抱く。

アロマンティック・セクシュアル:他者に性的に惹かれる。他者に恋愛感情を抱かない(アロマンティック)。

アロマンティック・アセクシュアル:他者に性的に惹かれない(アセクシュアル)。他者に恋愛感情を抱かない(アロマンティック)。

※にじいろ学校が現在使用している定義に準じています

※詳細はにじいろ学校HPの「用語一覧」をご覧ください

 

音声「続いて、「アロマンティック/アセクシュアル」についてお話させていただきます。

こちらの表における横側の表記、他社に性的に惹かれる・惹かれないというところです。

他者に性的に惹かれるとは、他者に性的な魅力を感じ、かつその人と性的な行為をしたいと思うことを他者に性的に惹かれることと定義しております。他者に性的に惹かれない人をアセクシュアルと定義しております。

続いて、縦の他者に恋愛感情を抱く、抱かないの部分についてです。他者に恋愛感情を抱かない人をアロマンティックと定義しております。

そして、他者に性的に惹かれない、恋愛感情も抱かない人をアロマンティック・アセクシュアルと呼びます。

他者に恋愛感情を抱く、性的に惹かれない人を、ロマンティック・アセクシュアルといいます。日本ではノンセクシュアルという言葉で表されることが多いです。

他者に恋愛感情は抱かない、他者に性的には惹かれる人をアロマンティック・セクシュアルといいます。」

 

 

【スライド18】

タイトル:Aro/Ace(アロエース)とは

本文:他者に恋愛感情を抱かないアロマンティックと周辺のセクシャリティAro

他者に性的に惹かれないアセクシュアルと周辺のセクシャリティAce

これらを「Aro/Aceアロエース)」と総称している

アセクシュアル/アロマンティック周辺のセクシャリティ」の中には

 ・信頼関係がある相手にのみ惹かれる「ミロマンティク/デミセクシュアル

 ・惹かれるが返して欲しいと思わない「リスロマンティック/リスセクシュアル

 ・惹かれると惹かれないの間にいる「グレイロマンティク/グレイセクシュアル

  …など様々なセクシャリティの人がいる

※にじいろ学校が現在使用している定義に準じています

※詳細はにじいろ学校HPの「用語一覧」をご覧ください

 

音声「続いて、Aro/Ace(アロエース)についてお話させていただきます。

先ほど説明させていただきました、他者に恋愛感情を抱かないアロマンティックと周辺にあるいくつかのセクシャリティを合わせて、Aro

他者に性的に惹かれないアセクシュアルとその他周辺のセクシャリティを合わせて、Ace

これらを「Aro/Ace(アロエース)」と総称しております。

その中でも「アセクシュアル/アロマンティック周辺のセクシャリティ」というものには、

 ・信頼関係がある相手にのみ惹かれる「デミロマンティク/デミセクシュアル」

 ・また、自分が恋愛的・性的に相手に惹かれはするが、同じ感情を返して欲しいと思わない「リスロマンティック/リスセクシュアル」

 ・そして、恋愛的もしくは性的に惹かれることと惹かれないことの間にある「グレイロマンティク/グレイセクシュアル」

  …など様々なセクシャリティが存在しております。」

 

【スライド19】

タイトル:Aro/Aceの多様性について

表:

・(戸籍上異性との)法律婚を望みますか

望む:+やや望む:21.4%

どちらでもない:21.5%

あまり望まない+望まない:57.0%

 

・過去に恋人関係になった人は何人いますか。

0人:44.3%

1人:22.2%

2人以上+その他:33.6%

 

・自分に“性欲”があると思いますか(アセクシュアル自認を選択した人のみの回答)

思う+やや思う:66.3%

あまり思わない+思わない:27.1%

その他:6.5%

 

本文:Aro/Ace=交際経験がない人、結婚を望まない人、性欲はない人、など簡単に括れない

Aro/Aceの中でも、考え方、ライフスタイルなどは多様である

出典:Aro/Ace調査実行委員会 2020「アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020概要報告」Aro/Ace調査実行委員会 2021「アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020単純集計結果報告書」

表作成:にじいろ学校

 

 

音声「続いて、Aro/Aceの多様性についてお話させて頂きます。こちらの表は、先ほどもありました、アロマンティック/アセクシュアルスペクトラム調査2020という調査の中での一部質問の回答になります。

結婚・同性婚などの法律婚を望みますか。過去に恋人関係になった人は何人いますか。

そして、自分に“性欲”があると思いますか、こちらの質問はアセクシュアル自認を選択した人の回答のみを抜き出しております。

Aro/Aceという1つのコミュニティの中にも、交際経験があるないだったり、結婚を望む望まない、性欲があるないと感じるなど、様々な人が存在しており、Aro/Aceとはこういうものだと一概には簡単にはくくれない、ということが分かると思います。Aro/Aceという1つのコミュニティの中でも。考え方、ライフスタイルなど多様であり、アセクシュアルという1つのセクシャリティの中でも、その状態・状況などは人により様々であるということが分かると思います。」

 

【スライド20】

タイトル:③ LGBTQコミュニティについて 

【スライド21】

タイトル:LGBTQコミュニティに対する意見

本文:LGBTQコミュニティでは「居場所がない」と感じる当事者もいる

当団体に届いた意見では

  • 恋愛/性的に惹かれることが前提であり、肩身の狭い思いをした
  • イベント会場でのアンケートに選択肢が、L/G/B/Tの4つしかなかった
  • 「どうせ異性を選ぶんでしょ」と言われてしまい、バイセクシャルの居場所がないと感じる
  • パレードで「恋愛できないなんてかわいそう」と言われた
  • はっきりと自認していないので、参加したくても躊躇ってしまう
  • 2つのセクシャリティを自認していることを想定されていない(レズビアンノンセクシュアルなど)

音声「現在、LGBTQコミュニティや団体などは多く存在していますが、そういった場所でも自分に「居場所がない」と感じる当事者もいらっしゃいます。当団体に届いた意見を一部ご紹介させていただきます。

LGBTQコミュニティにおいて、恋愛/性的に惹かれることが前提であり、そうではない自分は肩身の狭い思いをした

セクシャルマイノリティに関するイベント会場でのアンケートに選択肢が、L/G/B/Tの4つしかなかった

LGBTに関する交流会に行った際に、「どうせ異性を選ぶんでしょ」と言われてしまい、バイセクシャルの自分の居場所がないと感じた

また、レインボーパレードの最中に他の参加者から「恋愛できないなんてかわいそう」と言われた

自分がセクシュアルマイノリティ当事者であるとはっきりと自認していないので、自分が参加しても良いのか、参加したくても躊躇ってしまう

自分が2つのセクシャリティを自認していることを想定されていないため少し悲しい思いをした

など、一部の意見にはなりますが、こうした意見を持つ当事者の方もいるということを知っていただけたらと思います。」

 

【スライド22】

タイトル:LGBTQコミュニティに望むこと

本文:

  • 様々なセクシャリティや、同じセクシャリティの中にも多様性が存在することを知ってほしい
  • 恋愛指向と性的指向を切り離したものとして考えている人もいる、ということを知ってほしい
  • 「もしかしたら自分はそうかも?」と思う人や「とりあえず話を聞いてみたい」と思う人でも、アクセスしやすい場所であってほしい
  • 全てのセクシャルマイノリティが参加しやすく、否定されない場であってほしい

 音声「では、全てのLGBTQ当事者の方が居心地が良いと思える場所になるため、LGBTQコミュニティに望むことというお話をさせて頂きます。

様々なセクシャリティや、同じセクシャリティの中にも多様性が存在することを知っていただきたいです。

恋愛指向と性的指向を切り離したものとして考えている人もいる、ということを知っていただきたいです。

また、「もしかしたら自分はそうかも?」と思う人や「とりあえず話を聞いてみたい」と思う人でも、アクセスしやすい場所であってほしい

また、全てのセクシャルマイノリティの方が参加しやすく、否定されない場であってほしいということを願います。」

 

【スライド23】

タイトル:LGBTQコミュニティに求められる多様性とは

本文:

  • 多くの当事者の意見を聞き、取り入れること
  • 「レインボー」という単色ではなく一人一人に色があるという認識を持つこと

それらを常に忘れず、否定しないことが多様性である

 

音声「LGBTQコミュニティに求められる多様性とはなるべく多くの当事者の意見を聞き、できる範囲で取り入れること、そして「レインボー」という1つの単色ではなく一人一人に色があるという認識を持つことそれらを常に忘れず、否定しないことが多様性であると思います。」

 

【スライド24】

本文:

もちろんLGBTQの全てのことを知り、理解したり、配慮したりというのは難しいと思いますが、それでも「LGBTQ」コミュニティであるならば、なるべく多くの人が参加しやすく、否定されない場所であってほしいと願います

 

 音声「もちろんLGBTQの全てのことを知り、理解したり、配慮したりというのは難しいと思いますが、それでも「LGBTQ」コミュニティであるならば、なるべく多くの人が参加しやすく、否定されない場所であってほしいと願います。」

 

 

 

【スライド25】

タイトル:最後に

音声「最後ににじいろ学校から皆様へ伝えたいこと、お話させて頂きます。」

 

 

【スライド26】

タイトル:お伝えしたいこと

本文:

そのセクシャリティを自認することで自分が楽になったり、苦しみが軽減されたりするなら、そのセクシャリティのラベルを選択するのは自由です。

「今、このとき」そうだと感じるなら、その自認を選ぶこと、また選ばないことも自由。のちのちに違うと思ったら、またそのときにラベルを選択し直せば良いと、私たちにじいろ学校は考えます。

ただ、治療を行う場合、意図しない場で流布されてしまう危険がある等の場合には、慎重になることも必要になってきます。

 

 音声「お伝えしたいこと、まず、1つ目です。セクシャリティを「自認する」というのは個人の自由であるということです。そのセクシャリティを自認することで自分が楽になったり、今抱えている苦しみが少しでも軽減されたりするなら、そのセクシャリティのラベルを選択するのは個人の自由であるということです。

「今、このとき」そうだと感じるなら、その自認を選ぶこと、また選ばないことも自由。のちのちに違うと思ったら、またそのときにラベルを選択し直せば良いと、私たちにじいろ学校は考えます。ただ、治療を行う場合、意図しない場で流布されてしまう危険がある等の場合には、慎重になることもまた1つ必要になってくると思います。」

 

【スライド27】

本文:

  • LGBTQコミュニティに属すること、サービスや制度を利用することも個人の自由

現在、多くのLGBTQ向け団体・コミュニティやサービス、制度などが存在し、それぞれできることは違います。もし興味があったら、もしくは助けを必要としているなら、自分に合うものを探してみてください。

  • 自分以外のセクシャリティ、それに基づく考えや価値観を「否定をしない」こと

繰り返しお話ししたように、多様なセクシャリティが存在し、人によって考え方や望むライフスタイルは異なります。

もし自分の考え、価値観と違っても、相手には相手の生き方があります。「否定しないこと」を心に留め置いてください。

 

音声「続いて、LGBTQコミュニティに属すること、サービスや制度を利用することも個人の自由であるということです。

現在、多くのLGBTQ向け団体・コミュニティやサービス、制度などが存在しております。

それらを利用することや、コミュニティに属することなども全て個人の自由であると思います。

もし興味があったら、もしくは助けを必要としているなら、ぜひ自分に合うものを探してみてください。ただ、LGBTQ当事者であるなら必ずしも、コミュニティに属したり利用しなくてはならないというものでもないと思います。

そして最後に、自分以外のセクシャリティ、それに基づく考えや価値観を「否定をしない」ということです。

繰り返しお話ししたように、多様なセクシャリティが存在し、人によって考え方や望むライフスタイルというものは異なります。

もし自分の考え、価値観と違っても、相手には相手の生き方があります。「否定しないこと」を心に留め置いてください。」

 

【スライド28】

タイトル:もっと知りたい方へ

 

【スライド29】

タイトル:LGBTQについてもっと知りたい方へ

本文:『13歳から知っておきたいLGBT+』アシュリー・マーデル (著), 須川 綾子 (翻訳)

 

グラフやイラストを使って恋愛、性的指向ジェンダースペクトラムについてわかりやすく解説している書籍

セクシャルマイノリティ当事者の話も多く掲載されている

 

音声「今回、こちらご覧いただき、もっとLGBTQやセクシャルマイノリティについてもっと知りたい方へおすすめの書籍をご紹介させていただきます。 

『13歳から知っておきたいLGBT+』という本になります。                

グラフやイラストを使って恋愛、性的指向ジェンダースペクトラムについてわかりやすく解説している書籍になります。

セクシャルマイノリティ当事者の話も多く掲載されておりますので、ぜひ興味がある方はご覧下さい。」

 

【スライド30】

タイトル:参考

本文:

 音声「こちらは今回、資料を作るにあたり、参考にさせて頂いた調査や書籍となります。どれも詳しく解説されているものになりますので、ぜひ、こちらも合わせてご覧下さい。こちらの一番下のAro/Ace調査2020というものでは、5月5日にAro/Aceを調査する方法とその意味というオンラインパネルディスカッションを開催させていただきます。Aro/Aceについて詳しく知りたいという方は、こちらぜひご覧下さい。詳細は東京レインボープライドのレインボーウィークのページに紹介してありますので、ご確認下さい。」

 

【スライド31】

本文:ご清聴ありがとうございました NPO法人にじいろ学校

 

音声「ここまでご清聴いただきありがとうございます。

にじいろ学校は現在6年目でして、団体としてはまだまだなところがあり、また私自身、このように大勢の方に向けてお話するという機会があまりなく、なかなか慣れていないということもあり、聞きづらい部分もあったかと思います。

また今回の動画でここがひっかかるなというものや、こんな話も聞きたかったというご意見ご感想などあると思いますので、もしございましたら、ぜひにじいろ学校のホームページのお問い合わせから送って下さると幸いです。

今回20分という短い時間でLGBTQの多様性というお話を全て伝えきれるとは思っておりませんし、また、これはあくまで一団体の目線、意見に過ぎないものになっております。

ですが、この動画をきっかけに、もしかしたら自分はこれかな?だったり、ここをもっと知ってみたいと思ってもらえるような入り口にようになっていただけたらとても嬉しいです。以上で今回のお話は終わりです、最後までお聞きいただきありがとうございました。

それでは、にじいろ学校でした。」

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