5月3日開催「Aro/Aceの活動を語る会議事録」
- 参加した登壇者プロフィール
- 質疑応答
- Q.なぜ、Aro/Aceの交流会を、他のLGBTQコミュニティと分けて行っているのですか?
- Q.メディアでAro/Aceを取りあげられはじめた当初、困ったことは何ですか?
- Q.なぜ、Aro/Aceの調査・研究を行うようになったのですか?
- Q.アセクシュアルの定義をどのように考えたのですか?
- Q.今後は、どのような活動をしたいと考えていますか?または今後の課題として考えていることを教えてください。
- Q.Aro/Aceに関係する論文を、大学で書きたいと考えていますが、どのように研究したほうがいいかわかりません。
- Q.取材を今後受けようか迷っています。メディアと関わる際の注意点を教えて下さい。
- Q.アンチや批判への対応
- Q.Aro/Aceの作品について
参加した登壇者プロフィール
【今徳はる香】
NPO法人にじいろ学校代表、2015年からAro/Aceに関する交流会を行なっている。
お話できること
・NPO法人の設立、運営について(2016年から活動)
・交流会開催について(2015年から開催、約80回)
・ドラマ監修について(NHK「恋せぬふたり」テレ東「今夜すきやきだよ」)
・レインボープライド参加について(東京 パレードフロート出展4回、ブース出展3回、大阪、名古屋、札幌ブース出展)
・学生さんのインタビューについて(論文やゼミの発表用で過去50回ほど)
【中村健(なかけん)】
アセクシュアル、Xジェンダー当事者。2015年からAro/Aceに関する活動を始め、2017年よりYoutubeやメディアでの発信活動を行う。2018年からは、Aro/Aceや多様な性に関する講演活動も行う。また、セクシュアリティ別交流会「なかぷろ」では、アセクシュアル当事者向けの交流会も定期的に行い、累計150名以上の参加があった。
【三宅大二郎】
As Loopメンバー(Aro/Ace調査代表者)、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程(修士:人間科学)。Aro/Aceに関する研究を行っている。大学におけるLGBTQの学生支援に携わり、行政が主催するLGBTQの居場所づくり事業に関わるほか、SOGIに関する講演活動なども行う。
論文:
・三宅大二郎&平森大規(2021)「日本におけるアロマンティック/アセクシュアル・スペクトラムの人口学的多様性――「Aro/Ace調査2020」の分析結果から」.『人口問題研究』.77(2). 206-232
・三宅大二郎・平森大規(2023)「日本のアロマンティック/アセクシュアル・スペクトラムにおける恋愛的指向の多面性 」『ジェンダー&セクシュアリティ』18.1-25.
以下は参加者様にいただいた質問への回答です。
回答は登壇者同士のディスカッションの内容をまとめたものであり、「正答」を提示する意図はございません。
今後のAro/Aceの活動を考える一つの参考として、ご参照いただければ幸いです。
質疑応答
Q.なぜ、Aro/Aceの交流会を、他のLGBTQコミュニティと分けて行っているのですか?
A.他のLGBTQのコミュニティでは恋愛トークが多かったり、パートナー探しなどの出会い目的の方が多かったりするという声も聞きます。それらは、異性愛中心の社会の中でコミュニティだからこそできる会話という面もありますし、パートナー探し自体は人によってはAro/Ace当事者でも関心があるところかと思いますが、ニーズやその場で求められる配慮が異なる部分があるのも事実です。その点で、Aro/Ace向けの交流会を開く必要性があると感じています。一方で、Aro/Aceを含むLGBTQ/性的マイノリティが集まる場もとても重要だと思います。Aro/Aceコミュニティには、当然のことながらトランスジェンダーやXジェンダー、ノンバイナリーを自認している人もいますし、レズビアンやゲイ、バイロマンティック/バイセクシュアル、パンロマンティック/パンセクシュアルなどのカテゴリーを自認している人もいます。Aro/Aceは他のコミュニティとニーズが異なる部分もありますが、繋がっている部分もとても多いのです。
Q.メディアでAro/Aceを取りあげられはじめた当初、困ったことは何ですか?
A.2015年当時、言葉の定義などの情報がまとまっておらず、現在以上に幅広いものでした。そして、情報はインターネットの掲示板などに偏っていました。英語圏から来た言葉なので、どのように翻訳するのか、どの用語を使用するのか、常に迷いがありました。そこで、「私はこういう意味で使っています」という補足をつけて話すようになりました。また、媒体によって発信内容が都度異なるということがないよう、As Loop(アズループ)の前身の団体ができる頃からは、As Loopメンバーの3名は少なくとも発信の際に定義をそろえることにしました。
Q.なぜ、Aro/Aceの調査・研究を行うようになったのですか?
A.Aro/Aceの情報発信をする際に、できるだけ多くの方の声を届けられるようにすることが重要だと考えており、その一つの方法として調査を選びました。また、私たちが行っている「Aro/Ace調査」の目的で示しているように、①Aro/Aceの可視化、②多様性を議論するための材料づくり、③研究や活動の促進、という意味もあります。
Q.アセクシュアルの定義をどのように考えたのですか?
A.調査上では、アセクシュアルを定義していません。それぞれの自認に委ねたいからです。一方で、アセクシュアルを「他の人に性的に惹かれない」として捉えた際に、「性的に惹かれない」ということはどういうことか議論する材料が欲しいと思ってました。その点で、「性的に惹かれない=他の人のことを性的な意味で魅力的に感じない」という解釈だけでなく、より広い解釈をしてもいいのではないかと考えていました。そこで、調査では、「性的に惹かれない」ことを「他の人のことを性的な意味で魅力的に感じない and/or 性的な意味で魅力を感じた人と性行為をしたいと思わない」としました。
Q.今後は、どのような活動をしたいと考えていますか?または今後の課題として考えていることを教えてください。
A.これまで、自認に迷う方やAro/Aceについて話せる場がないことに悩む方がいることから、交流会を行ってきました。最近は、それに加えて、どのように生きていくかなどの課題の解決も視野に、ライフプランを考える会を行うようになりました。その他の課題としては、Aro/Aceに関する悩みに対応できる相談窓口が不足していることが挙げられます。Aro/Aceに関する相談に対応できるカウンセラーや相談員を増やし、相談窓口を充実させていく必要があります。加えて、Aro/Aceに関する情報が得られるリソースが限られているため、書籍など、まとまった情報が手に入りやすいようにしたいです。
Q.Aro/Aceに関係する論文を、大学で書きたいと考えていますが、どのように研究したほうがいいかわかりません。
A.研究方法については、基本的に指導教員に相談しながら決めることにはなるとは思いますが、Aro/Aceに関する研究に関心がある人のためのネットワークが英語圏にはあります。そのような取り組みを今後検討したいと思います。
Q.取材を今後受けようか迷っています。メディアと関わる際の注意点を教えて下さい。
A.まずはその取材を受けたいのか否かを考えてみるのはいかがでしょうか。当然のことながら断って構いません。もし受ける場合は、公開される前に文章なら原稿、映像なら自身が話している箇所を見せてもらうことは出来ないかなどを、事前に担当者に確認・相談することが大事かなと思います。そして、少しでも不安などがあれば、たとえ一度引き受けたとしてもいつでも「断る」選択肢を持っておくことが重要です。また、最終的には担当者の人柄というか、人として信頼できるかというところが判断基準になってくると思います。
Q.アンチや批判への対応
A.まずその「批判」が活動の改善に関わる適切な批判なのか、それとも誹謗中傷なのかという判断をすることが重要です。
誹謗中傷(明らかなからかいや悪口、個人に対する攻撃など)については基本スルーをして、もしあまりに悪質なようであれば法的な措置を取ることも有効でしょう。但し、法的な手続き等は精神的な負担も大きいため、誹謗中傷についてはスルーをする、もしくは信頼して話せる身近な人や、LGBTQに関する相談窓口に相談する形で対処するのがおすすめです。
適切な批判(こちらに改善の余地がある場合)については「改善点を教えていただいた」という姿勢で受け取ることを勧めます。
適切な批判は大切な意見の一つでもあるため、直せるところは直しつつ、難しい場合は今後の検討事項として記録をしたり、難しい旨を伝えることがよいかと思います。
さまざまな批判に精神的に辛くなることもあるかもしれません。
誰にでも意見や批判をする権利はありますが、批判された側がそれを受け取らないという権利も、怒ったりする権利も持っているはずです。
※当然ですが、差別的な発言や不適切な対応をしてしまった場合は、こちらの意志にかかわらず、真摯に向き合い説明や改善をする責任があります。
中には、心無いコメントで活動から離れてしまう人もいます。
そのため、上記のような方法で批判とうまく付き合いながら、それでも活動するのが難しくなった際には、続ける/やめるの2択だけではなく「休む」という選択肢もあることを頭に入れておいていただければ幸いです。
「自分がやりたいからやってる、嫌になったら休む、やめる」という考え方で良いのではと思います。
Q.Aro/Aceの作品について
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セクシュアリティをはっきり設定として出すべき?出さないべき?
→前提として、「全ての人に賞賛される作品を作ることは不可能である」ということを念頭におくと良いかと思います。設定として出した場合でも、出さない場合でもその選択を良いと思う人もいれば、良くないと感じる人もいます。
重要なのは「どの層に何を届けたいか」だと考えます。
これまでいくつかの作品を見て感じる部分として、
設定を出すメリット:コミュニティに届きやすくなる
設定を出すデメリット:説明や描き方、キャラ設定などを丁寧に作り込む必要がある。
設定を出さないメリット:Aro/Aceに関する設定を細かく作り込まなくても、当事者かどうかは不明なため、偏見を流布することには繋がりにくい、
設定を出さないデメリット:Aro/AceコミュニティにAro/Aceの作品としては届かない、さりげなく描いたとしてもAro/Aceのキャラクターや作品として認知されない可能性が高い
といったことがあげられるかと思います。
上記も参考にしていただきながら、作品において何を大切にしたいかで判断していただければ幸いです。
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気をつけること
→作品にする場合、偏ったイメージ(ステレオタイプ)を流布する懸念が生まれるため、「あくまでこの作品の描写は一例であり、Aro/Ace全体に当てはまるわけではない」ということを入念に伝えることをおすすめします。
可能な限り幅広い当事者像を描くことが理想ではありますが、1作品で扱えるAro/Aceの多様性は限界があるため、できる限り幅広く描く工夫をしたら、あとはその作品が描きたい内容に集中することが重要だと思います。
さまざまなAro/Ace当事者がいるということが伝わるためにも、今後Aro/Aceに関する作品が増えていくことを願っています。
※但し、使用すべきではない表現(「恋愛できない」といった可否を表す表現など)もあるため、そちらはぜひ調査報告をご確認ください。
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我々が恋せぬふたりで気を付けたこと
NHKの許可も必要な内容のため、
NHKよるドラ「恋せぬふたり」 - As Loop(アズループ)
をご覧ください。
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今夜すきやきで気を付けたこと
→個人的に一番気をつけたのはカミングアウトのシーンでした。他のセクシュアリティと比べてAro/Aceのカミングアウトは「直接的な差別発言などは受けなそう」「伝えるハードルは高くなさそう」と思われることも多いです。そのため、簡単に周囲にカミングアウトができるという印象にならないよう、タイミングや言い出し方などを何度も調整していただきました。
第54回(札幌)Aro/Ace交流会議事録
2022年9月19日に札幌で開催された「にじいろ学校主催 第54回Aro/Ace交流会」の議事録、そして参加者の一人、ライターの雁屋優による感想と考察です。
この記事で扱っているのは9月19日に参加されたAro/Aceの方のお話であり、Aro/Aceのすべてを示しているわけではありません。
※Aro/Ace交流会でよく出る話題の「Aro/Ace調査2020」の結果をまとめた記事はこちら
ぜひ合わせてご覧ください。
議事録
自認のきっかけ
- 婚活
- 友人からの告白
婚活(パートナー探し)
- 友情結婚専門の結婚相談所が存在するけど、子ども欲しい人でないと難しい……
- Aro/Ace交流会でパートナーを求めるAro/Aceの方々がマッチングすることもある
推しの話(芸能人、声優の楽しみ方)
- 推しの話は楽しい
- 推しに認知されたい/されたくない
- 俳優ならば演技力、声優ならば声の演技力といったように、その人が商品にしているものをしっかり見たい
コミュニティ
- LGBTQのコミュニティの中でも、Aro/Aceは肩身が狭い部分がある
- バーではないコミュニティが必要
- コミュニティに行くのは勇気がいる
- 性的な話が当たり前だとAro/Aceにはつらいときもある
Aro/Aceとルッキズム
- 「顔がいいから許される」がわからない
- 顔があまりにも重視されすぎているのではないか
東京に住む?
- 選択肢も増えるし、東京に住みたい気持ちはある
- 仕事、友人、家族が札幌にいるので、東京に住もうとまでは思わない
やはり必要なのはお金
- 緊急連絡先問題、老後の不安など、Aro/Aceの不安は割とお金で解決できる
- NISAやiDeCoなど、堅実にお金を貯める方法を考えたい
海外のAro/Ace事情
- 海外ではやはりペア文化が強いので、他のセクマイより肩身が狭いと聞く
- アロマンティックとアセクシュアルは完全に別のコミュニティとされることもある
- Aro/Aceなのを「日本人はシャイだから」と納得されることもある
雁屋優の感想と考察
オンラインでは交流会に参加したことはあるもの、リアルでは交流会に参加したことはなかったので、かなり緊張しながら参加しました。
非常に和やかな雰囲気で、人見知りの私も安心して話せました。
久しぶりに楽しく人と話したので、帰宅後には喉が枯れていました(笑)。
Aro/Ace独特の問題(海外での扱われ方やLGBTQコミュニティでの様子など)もあれば、Aro/Aceではなくても起こりうる問題(緊急連絡先問題や老後の不安など)もありました。
Aro/Aceの人々で考えていきたいこと、Aro/Aceではない人々も巻きこんで考えていきたいこと、両方ある印象でした。
説明しなくても感覚が近かったり一致したりする、この安心感は普段の生活では得難いものでした。
東京と地方といった話が出るのは地方開催ならでは、かもしれません。
この交流会に参加して考えたことを整理したら、数本記事ができそうです。
それに、札幌にも自分と似た人がいるんだと知ることで、札幌の街が少し優しい街に見えてきた気がします。
Aro/Aceの私に最適の環境とは、とこれからも考えていきます。
開催、ありがとうございました。
第38回Aro/Ace交流会議事録
3月26日、27日に開催された「にじいろ学校主催 第38回Aro/Ace交流会」の議事録になります。
イベントページ
あくまで今回参加していただいた方の意見であり、Aro/Aceの中にも様々な人がいます。
Aro/Ace交流会でよく出る話題の「Aro/Ace調査2020」の結果をまとめた記事はこちら
ぜひ合わせてご覧ください。
自認について
- 好きな俳優がカミングアウトしており、それで言葉を知った
- リモートワークになって時間に余裕ができ、結婚について考えるようになったのがきっかけで自認した
- 家族からの結婚への圧が辛くなり、調べたら言葉に辿り着いて自認した
- 結婚したいと思えなくて「自分の理想が高すぎるのかな?」と不安になり、調べたら言葉にたどり着いた
- ネットで「恋愛感情がない」で検索した
- 婚活を始めたがうまくいかず、調べていたらアセクシュアル、アロマンティックという言葉に出会って自認した
- 婚活をしていて「性的な目で見られることに強い嫌悪感を覚える」ということに気付いて自認に繋がった
パートナーについて
- 一人で死ぬのは怖いと思うけど、パートナーがほしいかと言われると違う感じがする
- 突然入院するってなった時に部屋から物を取ってきてくれるような友達がいるといいなって思う
- 一対一の関係よりは仲良しグループみたいなのが理想
- 一人の部屋が確保されるのであれば、誰かと一緒に住みたいと思う
- 相手が性的な行為を望まない人であれば、一緒に暮らしたいと思う
- ずっと一緒と言うよりは何かあった時に支え合える関係がいい
- 誰かが家にいる生活はいいなと思う
- 人と一緒に住むのは無理だと思うので、近所にお互い病気になった時とかに助け合える人がいたらいいなと思う
言われてモヤモヤしたこと
- 恋人がいないと言うと「理想が高いのでは?」と言われた。そもそも理想なんてないのに
- 「なんで恋人作らないの?」って聞かれると「そんな簡単に作るものなのみんな?」って思う
- 性経験がないと言うと未熟だと言われた
独占欲はある?
- 友達が遊びに行ったと話を聞いた時、私も行きたかったとは思う、これは嫉妬や独占欲なのか、疑問に思った
- 独占欲はない、分からない
- 自分が好きだと思っていた相手に全く独占欲を抱かなくて友達に「それって恋愛感情じゃなくない?」って言われた
推しについて
- いないかなと思う、ファンとの違いがよくわからないけどそんなに熱量を持っているかと言うと違う
- 恋愛的な目線といより「こうなりたい」と思う憧れの存在
- パフォーマンスや見た目はとても好きだが、付き合いたいとかは思わない
- プライベートには興味がないので、なんで熱愛報道で炎上したり結婚ロスが起きるのかわからない
- 「かっこいい」と思う感情はあるが、性的な行為をしたいと思うことが一切ない
- 認知されたいとかは思わない、ただ応援していると言うことを伝えたい
子どもについて
- 子どもは欲しいが、結婚願望はない
- 子ども欲しいって思う気持ちが分からない
- 可愛いとは思うが、自分が育てたいとは思わない
- いたらいいなとは思うけど、性行為に耐えれないと思うので養子を考えてたことがある
- 自分のことで手一杯なので、考えられない
- 自分で産みたいとは思わないけど、必要なら友達や兄弟の子育てを手伝いたい支えたいと思っている
好きなタイプについて
- タイプの人を紹介するため聞いてる気もするから「尊敬する人」と答えると、紹介しようがない
- 優しい人と答えると、誰も傷付かない
- 自分のお世話を自分で出来る人。強めに答えると次、振られなくなる
- 特になりので、これ以上、突っ込まれないように自分に合う人と答えてる
- 顔の好みはあるが、恋愛には結びつかない。あくまでも好きな外見
カミングアウトについて
- 言ってない。ふわっと流している。
- 恋愛分からない等は言ってない
- 親に結婚しないとは言っている
- 結婚しないと思うとは家族に言っている
- セクシャリティやジェンダーの知識がある友達には言っている。分かってくれなそうな人には言わない
- 家族には早く彼氏を作ったら、とは言われるので、推しより顔がいい人がいたら考えるといって流す
老後について
- プライベートなスペースと共有スペースが両方あるような場所で生活したい
- 老人ホームに入る計画を立てている
- 独身女性用のグループホームを検討している
恋愛作品について
第37回Aro/Ace交流会議事録
2月27日に開催された「にじいろ学校主催 第37回Aro/Ace交流会」の議事録になります。
イベントページ
あくまで今回参加していただいた方の意見であり、Aro/Aceの中にも様々な人がいます。
Aro/Ace交流会でよく出る話題の「Aro/Ace調査2020」の結果をまとめた記事はこちら
ぜひ合わせてご覧ください。
- パートナー欲しい?
- 恋愛アプローチに気付ける?
- 恋愛的に惹かれるのってどんな感じ?(ロマンティックアセクシュアル等の方のお話
- 言われてモヤモヤするセリフとその捉え方、返し方等
- 恋愛、性的なことに対する嫌悪感ってある?
- 推しについて
- Aro/Aceの活動、コミュニティについて
- 恋話について
- 自認について
- 老後、死後について
- その他
パートナー欲しい?
- 寂しいからパートナー欲しい
- 独身女性の相互扶助に興味がある
- お一人様専用の介護付きマンションとかあったら理想
- 一対一の関係というよりコレクティブハウスみたいなのに憧れる
- 阿佐谷姉妹の関係が理想
- 何かあったときに助け合えるご近所さんみたいな関係が理想
- お互いの存在が負担になりそうで怖いので、今のところ考えていない
- お金で買えるサービスを活用して生きていく方が合ってると感じた
- 一緒に生活する場合は細かい部分まで話し合わないと続けるのが難しそう
- アロマ同士だと「相手が恋愛的に好きだから許せる」がなさそうだからパートナー関係を続けていける自信がない
- 友情結婚をしたいけど子どもがいらないというとなかなかマッチングが難しい
- 誰かにとって唯一無二な存在になりたいと思う
- 「一人でいたい」と思うときと「誰かといたい」と思うときがあって揺れている。この頻度が近い相手と出会えればいいのかも
- 自分だけが一方的に「信頼できる友達だ!」と思い込んでいるのでは?と思うと怖いので、互いに確認し合える関係が理想
恋愛アプローチに気付ける?
- オーラが変わる感じがある
- 急に不快感を覚える感じ
- 全く気づけなくて周りから言われても信じられない
- 「そういう感じできてるな」って思う。「性的な目で見られてる」って感覚かも
- 恋愛してる人がいるって感覚がよくわかっていなかった
- 学生時代の告白は全部罰ゲームだと思ってた
恋愛的に惹かれるのってどんな感じ?(ロマンティックアセクシュアル等の方のお話
- 相手のことを知りたい、自分のことを知ってほしいっていう感覚。特定の人間にしか思わない
- 大事にしたいし、大事にされたいと思う
- 友達との違いは嫉妬心があるかないか
- 信頼がベースにある人のみ惹かれる、一目惚れの逆?
言われてモヤモヤするセリフとその捉え方、返し方等
- 恋愛しないなんて勿体ない→「自分が楽しいと思っていることがわからないなんて勿体ない」って考え方はわかる(相手に伝えるのはどうかと思うけど)自分もお酒飲むのが好きだから飲めない人に対して「勿体ない」って思う気持ちが少しある
- 「いつか好きな人できるよ!」→「(相手が異性愛者なら)あなたもいつか同性を好きになると思う?」って聞いてる
- 「何か過去にあったの?」「トラウマでもあるの?」→「(相手が異性愛者なら)あなたも同性にトラウマがあるから異性に惹かれるの?」って聞く
- 「好きな人となら(性的なことを)したいって思うでしょ」→「なら痴漢とかは全員相手に恋愛してること?」って聞く
- 「付き合ってるのになんで(性行為を)しないの?」→そもそも「恋人ならこれをして当たり前」とい考え方から変わっていくべき
恋愛、性的なことに対する嫌悪感ってある?
- 肌色を多めの人を見るのがしんどい、写真とかでも苦手
- 小学生の下ネタみたいなのなら笑えるけど、リアルになるとしんどい
- 「恋愛=性行為」とされている作品は見れない、それぞれが独立しているものなら楽しめる
- 聞くのも見るのもなんとも思わないけど、自分がするってなったら気持ち悪くなる
- 知っている人の話なら大丈夫だけど知らない人の恋愛話を聞いているとしんどい
- 恋愛ドラマとか見ても嫌悪はないけど、恋愛のフラグとかに気づけないからあまり楽しめない
推しについて
- あくまでキャラクターとして推している感じ、プライベートとか興味ないからなんで恋人がいて炎上するのかわからない
- こちらがどんなに好きだと伝えても、絶対に返ってこない感じが安心できる
- 周りのファンが「自分のことを覚えて欲しい」と思っていることにビックリした、むしろ認識しないで欲しいと思っていたので
- パフォーマンスを「かっこいい」と感じることはあるけど、見た目そのものが好きかって言われると違う気がする
- 憧れに近い?こういう人になりたいなって感覚で見ている
Aro/Aceの活動、コミュニティについて
- 「恋愛 わからない」とかの検索で出るようになったのは大きい進歩だと思う
- 「恋愛 触られたくない」でもノンセクシュアルに関する情報が出てくるようになってほしい
- まだコミュニティとして新しいから自認して何十年みたいな人の話が聞けないのは仕方ないけど、聞いてみたかったなぁって思う
恋話について
- 職場ではセクハラという風潮になったので、そもそも話を振られないようになってありがたい
- 周りが話し始めると置いていかれてる感じがして少し寂しい、自分が全く知らないアニメの話で盛り上がってる感じ
- 同じ話題で共感したりアドバイスしあったりするのって楽しいんだなってこの交流会で分かった
- 人間関係の相談事として話を聞いている感じ
- Aro/Aceについて語り合える人が周りにたくさんいるって感覚なのかな?羨ましいなぁって思う
自認について
- 結局恋愛感情がどのようなものか分からないから「ない」って言い切るのが難しい
- 言葉を得ることで気持ちが楽になったけど、今は言葉に縛られるぎてもいけないなと思っている
- 自分で恋愛感情の定義を決めて、それがないから自分はアロマンティックなんだって自認することにした
- 今はないだけでいつかは惹かれるかも?と思っているから「アセクシュアルなう自認」
- 「なんで自分は周りと違うのか?」と考える人しか自認に至らなそう、自認はしていないけど惹かれない人もたくさんいそう
- 「本当にみんな望んで性行為してるの?」って疑問に思うことがよくある
- 言葉があることで、こうして集まって話すことができる
- 「アロマンティックだからこう」とか「アセクシュアルならこう」と自分や他者を決めつけないようにしないと
老後、死後について
- 遺言書を書いたところでそれを見つけてくれる人がいないと。。。
- 結婚したいとは思わないけど、孤独死するのも嫌だなぁって思う
- 葬式まで面倒見てくれる老人ホームに入る予定
- 一人で生きて死んでいけないことを腹立だしく思ってしまう
その他
- 小学校の頃、家庭科の授業で「いつ結婚して、何人子供が欲しいか」という人生設計を書く時間があった。それしか選択肢がないと思っていた
- イケメンに対して「キャー!」っていう黄色い歓声があげられないことに悩んでいた
- 親友に恋人ができたことを喜べなかった「友達を取られてしまう」という感覚が強かった
- なぜ友達より恋人を優先して当然だという風潮があるのか。先に入った予定を優先するべきでは・・・
- 小学生の時に「同性を好きになる人もいるし、誰も好きにならない人もいる」って知りたかったと思うので、今度の教育が変わっていってほしい
第36回Aro/Ace交流会議事録
1月23日に開催された「にじいろ学校主催 第36回Aro/Ace交流会」の議事録になります。
イベントページ
あくまで今回参加していただいた方の意見であり、Aro/Aceの中にも様々な人がいます。
Aro/Ace交流会でよく出る話題の「Aro/Ace調査2020」の結果をまとめた記事はこちら
ぜひ合わせてご覧ください。
自認について
- 周りからの圧力で焦って婚活していたけど「結婚したい」と本気で思えなくて悩んでいた。調べたらAro/Aceにたどり着いて「自分はこれだったんだ!」と思って自認した
- 自分のモヤモヤした部分に名前があると知ったときは本当に嬉しかった
- 単語があるということは仲間がいるということ
- 自認はあくまでラベリング、貼ってみたり剥がしてみたりしても良いと知れて気分が楽になった
日常のモヤモヤ
- それまで友達だったのに急に恋愛へギアが入る感じがある、いきなりで怖い
- 相手は親切心であっても距離が近かったり、触れ合ったりするのが嫌
- 「自意識過剰だ」と思われてもいいから少しでも恋愛、性愛の匂いを感じ取ったら逃げるようにしてる
- 自分に向いている恋愛、性愛感情が全くわからない、周りから言われて初めてわかる
- 手を握られても「この人はなぜ手を握るのだろう?」って思う、嫌悪も何もない
- 「(恋に)落とそう」としているのを感じてしまう
- 告白されると「付き合えると思われたの?」と思い、相手を嫌いになってしまう
- 学生の頃なんで自分は友達と違ってイケメンを見ても「キャー!」って言えないんだろうって悩んでいた
- 恋愛の話を全員共通の話題だと思っている人が多い、天気の話くらい気軽にされる
- 「自分は興味ないんです」って言ったらそこで終わって欲しい
- 他人の恋愛話を聞くのは全然大丈夫だけど自分に振られたら困る
- 結婚が「恋愛のゴール」みたいな位置づけじゃなかったらいいのに
- 男女でいるだけですぐ「付き合ってる!」って思われる
- 交流会で「わかる〜」って盛り上がるのは恋話で盛り上がるのと同じようなものなのでは?
- 「この人のことが恋愛的に好きだ!」って思い込もうとしたけどうまくいかなかった
- 「異性が好きになれないなら同性愛者かも?」って思っていたけどどの性別も好きにならなかった
- 「自分が友達に抱いている好きって気持ちをみんな恋愛って呼んでる?」と考えたことがある
- 好きなタイプを聞かれると困る、適当に答えると紹介されたので答えないようにしている
- 好きなタイプのおすすめの返答例「尊敬できる人」(紹介できないので
- 「自分がこういう人になりたい」という憧れのタイプを好きなタイプと答えていたら勝手に恋愛に変換されていて驚いた
推しについて
- 推しへは返報を求めていない
- あくまで自分の「好き」を伝えたいだけ
- 「自分のどこが好き?」「覚えてくれてる?」という気持ちはない
- 「推し可愛い」は「猫可愛い」と同じ気持ち
- 推しは自分とは違う世界のものだから期待も何もないし、熱愛報道が出てもなんとも思わない
- 自分に何も返ってこなくても「生きていてくれてありがとう」って思えるのが推し?
- 推しのパフォーマンスが好きなので恋人がいるとかいないとかはどうでもいい
パートナーについて
- 自然消滅しないような契約を結べるコミュニティが欲しい
- 人間じゃなくてApple WatchなどITガジェットに頼りたい
- 同じマンションの違う階くらいの距離感が理想
- 作りすぎた料理とかを分け与えられる関係性
- 一対一の関係は理想、一緒に住むかどうかはどっちでもいい
- 2週間くらいお試しで一緒に住めたりしたらいいのに
- 相手に嫌な部分や合わないことがあっても恋愛感情があれば「好きだから」で許せるのかな?アロマ同士だと細かく話し合う必要がありそう
- 人生を一人で生きていくための「味方」や「繋がり」が欲しい
子どもについて
- 遺伝子以外にも遺せるものはたくさんある
- 子育てしてる人を尊敬するけど、自分がしたいかと言われると違う
- 「愛の結晶」っていう表現がよくわからない…
- 募金や他人の手伝いをすることも立派な子育て
- 「寂しいから子どもが欲しい」っていう考えが自分の中にない
カミングアウトについて
- ドラマ(恋せぬふたり)を介して間接的にカミングアウトした
- 「恋愛に興味ない」程度の話はしているけど用語を使ってカミングアウトはしていない
- 聞かれたら答える、相手が知りたそうだったらセクシュアリティの説明もしている
- 親に言おうか悩んでいる、過剰に否定や心配されたらと思うと怖くて言えない
老後について
- 元気なうちに老人ホームを決めておきたい
- Aro/Aceのコレクティブハウスみたいなものが欲しい
- パートナーが近い年齢だと歳を取ったときに大変そうだから何かしらのサービスを頼りたい
- 友達かパートナーと同じ老人ホームに入りたい